今月のお題『怖い体験』

キューブリックのきゅ〜め〜る
今月のお題『怖い体験』


子供の頃、今よりずっとずっとピュアだったわたし。

幼稚園の年長か小学校低学年だったある日の夕方、家の前で、今や懐かしい「ロウ」を使って大きな絵や ケンケンパのおっきな輪を描いて一人で遊んでいたときでした



近所に住んでいる外国のおにいさんが曲がり角から曲がってくるところが見えて、
友達と一緒のときいつも話し掛けられるから、なんだか気まずくて、とっさに玄関の扉に隠れたわたし


家の玄関には覗き穴がなかったので、通り過ぎたかドアをちょーっと開けて確認しようとしたら、おにいさんは待ってて目が合ってしまい、結局話し掛けられ…


うちに君と同い年くらいの男の子がいるんだよ
子犬もいるよ


って言うんです。



見たことも聞いたこともないぞ?


おいで
おいで



好奇心をあおられ
手を繋がれ
おにいさんのお家へと運ばれる足…



家からすぐ目の前の細い路地を入って奥、
陽のあたらない、じめー…っとした空気の
おにいさんのお家の前まで来たとき



体中のサイレンが鳴り響く

行っちゃダメ!!!



怖くて怖くて
カラダの震えが止まらなくなって


「行かない」
って振り絞るように言った。


「怖くないよ」
っておにいさんが手を強く引っ張った。


わたしはびっくりするくらい大きな声で泣きました。

泣かないと生きて帰れないかもしれないから

ここで負けたらおしまいだから

必死に
必死に



手を振りほどいて
ダッシュで自分の家まで逃げました


今度はしっかり鍵もかけて決して振り向かず



知っている人でもついていっちゃダメ
ダメなのだ。




あとで近所のオバちゃんとお母さんにこっぴどく叱られたのは言うまでもない。

それ以来おにいさんの姿を見ることはなく、
わたしも一人で家の前で遊ぶことはなくなりました。



あぁ〜怖かった(;_;)