きえてゆくふるいもの

わたしがまだ小さかった頃、我が家には鰹節削り(器?)がありました。


ほとんど削った記憶はなく、棚に置かれておった為、わたしのままごとの道具と化しておりましたが。
ひたすら引き出しを出したり引いたり…ただそれだけの長細い箱。
ほのかに薫る鰹の匂いがしなけりゃ、これが何に使うものなのか、わかることはなかったでしょう。


箱に染み付いた、歳月重ねたあの何とも言えぬ匂い。

ミルキーはママの味
負けないぜ
鰹節



どこいっちゃったんだろうな?
鰹節削りくん


ままごとをしなくなってから、
引っ越しを重ねたら
いつのまにかいなくなってしまったよ…。


あの頃のままごとがあったから
今もこんなわたしがいるんだよ。