月1誰ガタメコラム(最終回)

次回公演『誰ガタメノ剣』は、戦国時代の四国の英雄・長宗我部元親の物語。
それにちなんで、毎月9日発信のキューブリックのメルマガ“きゅ〜め〜る”のブログお題は、なんと4ヶ月連続のぶち抜き企画!
キューブリック劇団員が「高知」「長宗我部元親」「誰ガタメノ剣」の中から連載テーマを選び、毎月思い思いのピックアップで各テーマの魅力をアピールしてまいります!
というわけで、私のテーマは「高知」!

最終回である第4回目の今日は、「土佐の民」をお送りします。

『誰ガタメノ剣』でなにが良いっていったら、民にスポットがあたっているのが良いと私は思うのです。
武将の世界は男のロマン。一見、華やかさだけが目立つのですが、そうではない。それを支える人たちが居る。
日常にもささやかなドラマがある。それは現代にも通じるところで、この作品が愛される要素の一つなのではないかと。

私はまだ高知に行ったことがありません。
でも、私のまわりには高知に縁のある方がけっこういらっしゃって・・・
なんとつい先日。いつも歌を習っている、ミュージッククリニックの先生も高知にご縁があることが判明!
このお正月に高知に行ったときのエピソードをお話ししてくださいました。


高知は、周りを緩やかな山に囲まれた緑あふれる地。時間の流れが東京とは比べ物にならないほどゆったりとしているのだそう。
都会では忘れがちになってしまうのですが、
耳をすませば、草も、木も、風もなにかを語っている。
人が本来身につけている、自然と共にある、そういった感覚を取り戻させてくれる場所なのだと。


そして人が温かい。
おもてなしの心に溢れているのが高知の人。
お家を訪れると、温かいご飯とお味噌汁がさっと出てくる、
その人の心そのものの味。
今回菜々役を演じる谷口礼子ちゃんが高知一人旅をしたときも、知らない方がご飯をおごってくださったのだとか。
そんなぬくもりエピソードをたくさん聞きます。


高知の人、土佐の人

400年前からきっと変わらぬかたちなのでしょう


その人たちのことがもっと知りたくて、何気なく調べたページでお祭りがぶちあたりました。

高知には『どろんこ祭り』というお祭りがあります。
4月の第一土曜日から3日間、高知市長浜で行われる、早乙女姿の女性が男性の顔に泥を塗る、400年以上も伝統を持つ豊作祈願の春祭りです。

長宗我部氏が土佐の領主であった時代、疫病が流行り、領民はたいそう苦しみました。
そこで人々は疫病退散を祈り、若宮八幡宮に田んぼを奉納したところ、たちまち悪い病気がおさまり、人々はこれをたいそう喜び、神田の泥をかけあって氏神様に感謝をしたという言い伝えがあります。
今でも毎年、その年の当家の人達によって稲作りが行われているのだそう。

山内以降、他所では田植え時の男女の戯れが禁止されましたが、長浜だけは神事として受け継がれ、男尊女卑が当たり前だった江戸時代も、女性が男性の顔に泥を塗ることが許され、絶えることなく続けられてきたということから、「女天下のどろんこ祭り」ともいわれています☆

真っ黒な顔に真っ白な歯、大きな笑い声の明るい顔
そんな人々の力強い姿が浮かんできます。

まっこと、土佐は女子でもつ国だわ〜♪