そして旅立つのさ


東京での稽古が終わってしまった・・・


あっという間の2ヶ月ちょいだった。
稽古始まってすぐ、大震災に見舞われ、想像したこともなかったことが現実として突き刺さり、自分のやるべきことは何だ。いいのか。公演中止なんて言葉も頭に過り、
でも、いろいろな壁をみんなで乗り越え、今日、とうとう高知に旅立ちます。
2008年初演から3年・・・初演でも英之助という役をいただいて、でも、みんなが楽しそうにお芝居しているなか、私だけなかなか役にノることができなくて、苦しくて悔しくて情けなくて、本当に、役者なんて向いてない。お芝居やめよう。って追い込まれた。当時は心底大ッ嫌いだった作品。
2010年で再演することになって、そのときは英之助を追いかけるふじを演じて、ようやく、この作品をつくる仲間に認められた気がした。

めぐりめぐって2011年。高知で上演できることになって、また英之助という役と向き合えることになった。
ずっと心残りだったこの子とまたお話ができる。
とっても幸せなことだ。

今回もやっぱり苦しんだけど、今尚、闘っているけれど、もう数えられるくらいしか、彼女でいられないと思うと、本当に寂しい。


実在しない、名もなき民のひとりだけど、
自分の命をさらけ出して、必死に生きた、そんな人たちの歴史を、丁寧に演じたい。

この作品を通して、たくさんの方に出会い、勇気をもらった。
今度はわたしが、なにか与えられたら・・・真心をお届けできたら嬉しい。


もうすぐ出発の時間だ!