今月のお題は『キューブリック百物語』
それは新緑が綺麗な、ある晴れた夏の日の出来事でした。
地方公演に来ていたわたしたちは、2日間の仕込みを終え、初日を迎えようとしていました。
いつものように劇場入りし、掃除をしたあと、アップをしたり、ご飯を食べたり、メイクを始めたり、本番前の準備に取り掛かっていました。
舞台裏では、
舞台以外の仕事を抱えている人や、他のメンバーの準備を手伝う人など、いろんな+αと闘う人がいます。いつも時間との勝負。開演前の時間はハードなもので、
この日も、楽屋はいつものように、たくさんの人が出入りし、慌ただしく時間が流れていきました。
「開演10分前です〜。」
舞台監督さんの声がかかり、そろそろ舞台裏にスタンバイを始めるか、というとき。
隣の男子楽屋から、いきなり罵声が。
それは、千〇さんが今回衣裳でついていた奥〇さんにもの凄い剣幕で怒られている声でした。
何事かと話を聞くと、衣裳のアクセサリー一式が失くなった。というものでした。
当然、開演直前にするような話ではなく、楽屋は一気にパニック状態に。
プリセットの確認を怠った本人のミスですが、衣裳を袋から出して用意してくれた楽屋班の女子を巻き込んでの必死の大捜索が始まりました。
が、すぐに時間切れ。
初日は諦め、アクセサリー無しで何とか演じきったそうです。
終演後も男子楽屋ではお説教が続きます。
今度は「きゃっ!!」という悲鳴が…!!!
何と、何回も見たから絶対に有り得ない、という場所から、楽屋班の一人の女の子の鏡前から、失くなったアクセサリーたちが出てきたのです…。
その後も、千〇さんのものだけでなく、いろんな人の物が何か失くなっては、絶対に置くはずのない場所から出てくる、という現象がしばらく続きました…。
いったい、わたしたちの身に何が起こっていたのでしょうか…。
終。
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