人生を変えた一言

qunonko2008-05-24


「演劇なんてやりたくなかった。」

高校入学時のわたし。


先輩の勧誘を断りきれず、嫌嫌入った演劇部。
演技ってなんなのか、よくわからないまま、ビクビクしながら覚えた台詞を吐き続けた。
隙を見つけて辞めるつもりだった。



お芝居やってるってだけでバカにされ、発声すれば笑われ…みんなドラマは熱心に見るくせに、なんて虐げられた世界だ、って思った。


芝居じゃ人は変えられないんだ、って思っていた。



用事で先輩と一緒に教室にいたとき、通りかかった先輩の学年の先生が先輩に話し掛けてきて、わたしは先輩の後ろに隠れるように、その二人の会話のやり取りを聞いていた。


「君、存在感あるね。」


いきなり言われた。
言われたこともない言葉。

当時のわたしはメガネにくせ毛、メイクもしていなければ、洒落っ気もない。お世辞にも目立つほうではなかった。暗かった。

それなのに、一回も授業を受けたことのない生徒に…何を言ってるんだこの人は?


「部活の後輩なの。」
「あぁ、やっぱり!」
わたしを置いてポンポン会話は進んでいく。



いいんだ、私でも…。

そのとき小さな明かりがついた。



今でもお芝居ってよくわからない。

今日も、即興力をつけるために行われたボケとツッコミ千本ノック稽古で、一番足を引っ張っていたわたし。



あんなに嫌だったのに、まだやっていますお芝居。


存在感とは何ぞや、毎日考えています。
芝居で人は、変えられます。


今日も明日も明後日も、お芝居のことを考えながら生きています。


演劇やっているから遠くなってしまった友達もいるけれど…それはわたしの勉強不足

「演劇やってて良かった。」

そう思うわたしが今、此処にいます。